結成集会の後、寄せられたメッセージ(ちばてつやさん、広瀬隆さん、崎山比早子さんほか)は
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結成集会に寄せられた日本、世界からのメッセージを紹介します。
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◎今、日本に最も必要な法律が、チェルノブイリ法日本版だと思います。
◎市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会の結成おめでとうございます!この取り組みは、原発事故による被害の救済といった活動より深い階層に属するので、一見わかりにくく、共感を集めるのが難しいかもしれませんが、そのぶん本質的な社会ニーズに応えるものだと思います。すべての原発を廃炉にしたとしても、核廃棄物という負の遺産を抱え続ける以上、このような法律は不可欠です。粘り強く実現をめざしていきましょう。
(星川 淳・作家・翻訳家)
◎原子力災害の時代を、一人ひとりが自分の意思を尊重され生きられる法律、それがチェルノブイリ法!私たちの手で!
(宮口高枝・みなと子ども食堂代表理事)
◎私たちが今できることは、未来へ形をしっかりと残すこと。未来のために、チェルノブイリ法日本版を実現して、未来に形を残しましょう!」
(匿名・プログラマー)
◎最近は大学で福島のことを話すだけで『先生は偏っている』と言われる、もう『風化』すら通り越しているのかも」という大学教授の話を聞きました。『そうじゃない、偏ってるとかじゃない、福島のためだけじゃなくて、あなたと私たちのための闘いなんです』と訴えつづける闘いは苦しいですが、具体的で少しでも有効なことを積み重ねるしかないんだと思います。チェルノブイリ法日本版の制定も、ひとつの具体的な希望だと思います。この動きが、さらに大きなうねりとなることを願っています。
(大野沙亜耶・脚本・演出家)
◎原発ゼロを目指す日本に
欠かせない法制度制定への
歴史的なスタートに
勇気づけられます!
共に息長い闘いを!
(縄手政雄・ジャーナリスト)
◎寄り添う 忘れないと言ったこころを形にしたチェルノブイリ日本版の法律を叡知を振り絞って作ってほしい。
(安孫子発代・さよなら原発・米沢)
◎311の時に栃木県北の家族や地元が被害を受け、核問題が私の表現活動のメイン・テーマとなりました。昨年、チェルノブイリ法を日本にも作ろうという皆さんの存在を知り参加しました。意見を交わし互いを尊重しながら進めているこの活動自体に、知識を深め意識を育て自分を成長させる意味があるのだと実感しています。命や自然の大切さを思う一人一人の願いが国境を越えて繋がり、各国政府が放射能汚染から自国民や地球を守ることに目覚め、この原因となる戦争がなくなる、その鍵は「市民で育てるチェルノブイリ法日本版」が、そこに集まった個人の思いが、握っています。
(田中康予・ニューヨーク在住 アーティスト・エデュケーター)
◎原発事故被害者の人権と生活を守る闘いです。
人間として見識のない原子力政策を続ける人達に抗して
社会正義と公平性を確保しましょう。
(西尾正道・北海道がんセンター名誉院長)
◎わずか数mSvの被ばくでも小児がんが増えます。毎年0.5mSvの追加被ばくを受ける地域に50年住み続けると25mSvの累積被ばく量となります。最近の疫学調査で25mSvの被ばくでがんのリスクが何割も増えることがわかっています。避難、保養、医療の権利を守る日本版チェルノブイリ法の制定が切に求められています。
(松崎道幸・道北勤医協旭川北医院)
◎被曝対策がほとんど取られていない日本にとって、非常に重要な事だと思います。被災者をどこまで救済するかは、日本が現在直面している課題で、やはりチェルノブイリ法のように「国が被災者の生活と健康を世代を超えて守り、被害の補償を続ける」事が重要だと思います。遅れた分だけ悲劇が深刻になるので、早急な制定が必要だと思います。
(匿名・福島市の脱被ばく子ども裁判の原告)
◎日本が地震大国という国に対し、チェルノブイリ級の事故があってもびくともしない国や自治体。
日本のどこかで原発事故が起きても事故は小さくされ、最大の被害を被るのは私たち県民であり、子どもです。
チェルノブイリと福島の姿は明日の再稼動した地域の人たちの姿です。二度とこの悲劇を繰り返してはなりません。
未来は確実に次の世代に受け継がれていきます。希望がたくさん詰まった子供たちの夢を壊さらないで下さい。
支援ではなく、国の責任を果たしてほしいです。
(狩野 久美子・脱被ばく子ども裁判原告)
◎未来ある子どもたちの大切な命、健康を守るために、なくてはならない、それかわチェルノブイリ法日本版だと思います。みんなの力を合わせ、前に進めたらと思います。それが、私たち家族の願いです。
(匿名・福島県から川口市に避難)
◎被災地の心の叫びに気づいてください!
失ったものの大きさ!
これから失うであろう計りしれないものを想うと、悲しくなります!
人生には希望が必要です!
どうかチェルノブイリ法が希望でありますように願っております!
(匿名・郡山市から避難した娘さん家族の世話のため移住)
◎東日本大震災-東電福島原発事故から7年が経過しました。原発事故はまだ続いています。2011年3月11日に発令された「原子力緊急事態宣言」はいまだに解除されていません。同宣言の解除の見通しを問う質問主意書に対して、安倍政権は「確たる見通しを述べることは困難」と答弁しています(2016年3月11日)。
しかし、その言葉とは裏腹に、安倍政権は「復興」の名の下に、原発事故被災地への帰還政策を推進し、原発事故被災者への支援(住宅補償等)を打ち切っています。甲状腺がんに罹った子どもの数は196人に達しました(2018年3月5日発表)。しかし、福島県は原発事故と小児甲状腺がんとの因果関係をいまだに認めません。原発事故被害者は「棄民」されようとしているのです。
このような理不尽な仕打ちを許すことはできません。原発事故被害者がおかれている状況を多くの市民が共有し、被害者への医療、生活補償等を政府に迫っていかねばなりません。そのために、チェルノブイリ法制定の経験に学び、福島原発事故とその被害者のおかれている状況、その要求に応える補償法=「チェルノブイリ法日本版」の制定をめざす運動は大きな役割を果たすことができると信じます。「会」の結成により、運動が前進することを願い、ともに連帯して運動していくことを誓ってメッセージとします。
(矢野秀喜・原発民衆法廷実行委員会)
◎福井県で弁護士をしている笠原と申します。
大飯原発差止訴訟・福井弁護団の事務局長をしており、また最近まで日弁連の公害環境委員会のエネルギー・原子力部会長を務めていました。
ご存じのとおり、3.11から7年が経過しましたが、今でも多くの人が避難生活を余儀なくされています。
また、福島の地で、さまざまな不安を抱えたまま生活している人も数多くいらっしゃいます。
しかし、被害に逢った人に対する政府の各種支援は、急速に縮小の方向に向かっています。
民主党政権時代に成立した子ども・被災者支援法も、その具体化に向けて動くどころか、法律が存在したこと自体、政府は人々に忘れさせようとしています。
2013年、ヒロシマの地で開かれた日弁連人権大会において、福島原発事故の被害回復、健康被害防止、そして脱原発を求める決議が採択されました。私は当時、日弁連の部会長として、決議のとりまとめに向けて尽力しておりましたが、言うまでもなく、こうした決議は、単に採択されるだけでなく、少しでも実現されてこそ意味があります。
避難の権利を実質的に保障するための必要な支援、被害者に対する無償の検査、とりわけ現場で働く人の健康保障、食品の安全、人々の生活圏における事故以前の環境基準の確保など、5年前に決議した事柄はいずれも、今日においても強く必要とされています。
私は世界一原発が集中する福井の地で、主に再発防止に向けた活動に力を注いでいます。
そして、福島の痛みに最も連帯すべきなのが、この福井であることは言うまでもありません。
今回お集りになったすべての皆さんとともに、被害にあわれたすべての方々を支える
法制度の制定、そして強化のため、力を注ぎたいと思います。
(笠原一浩・弁護士・大飯原発差止訴訟・福井弁護団事務局長)
◎市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会 の設立総会の発足のご連絡有り難うございます。
私は引き続き広島・長崎の原子雲の周辺方向に広がった部分から降下した放射性降雨は途中で水分を蒸発して放射性微粒子になり原子雲の下に充満して、被爆者は気づかないで呼吸などで放射性微粒子を体内に摂取して内部被爆をしたことを研究しています。
放射線影響研究所や日米政府は放射性降下物による被曝は無視できるという立場から、こうした影響は放射性降下物の雨滴がもたらして地中に残った放射性物質からの放射線を物理学的に測定しただけで、無視できると主張を続けています。
内部被曝は物理学的測定では不十分で、私は脱毛、紫斑、下痢などの急性放射線量の発症率と被曝線量との関係を科学的に引き出して、急性症状発症率の調査がある広島では爆心地から6.5 kmで0.8 シーベルト、長崎では12 kmで1.3 シーベルトという結果をみいだしました。昨年と一昨年広島大学原爆放射線医科学研究所で内部被曝のシンポジウムなどがあり、私の研究は科学者の間で認められました。
さらに広島大学原爆放射線医科学研究所の大瀧名誉教授らの固形がん死亡率の研究で、広島の爆心地から1.2 kmまでは原爆から直接放射された瞬間的な外部被曝を与える初期放射線が主要な被曝影響であるが、爆心地から1.2 km以遠は放射性降下物の放射性微粒子による内部被曝で、私の結果と一致したことを明らかにしました。私の研究では長崎も同じです。
こうした放射性降下物の影響は核実験や原発事故と共通しています。一昨年私は英国の核実験による被曝をした退役軍人らの裁判の控訴審でロンドン高等裁判所に呼ばれて証言しました。福島原発事故で急性症状を発症した人はきわめて少ないと思いますが、僅かでもいらっしゃれば被曝線量を推定できます。
私は福島ではこれから晩発性障碍が発症し始めるので、しっかりとした健康管理と補償体制を作ることが大事だと思います。チェルノブイリ法日本版制定の会が発足することを支持するとともに、私の出来る限りの科学者としての協力をしたいとおもいます。
設立総会のご成功を期待します。
(沢田
昭二・物理学者・名古屋大学名誉教授)
◎チェルノブイリ32年、日本の原発事故7年。
チェルノブイリは5年後にチェルノブイリ法が制定され、国民は最小限の権利を獲得しあらゆる対策を打ってしても、32年経った未だに健康被害が続く。
5年どころか7年も経った日本がしてきた事は真逆の所業なのです。
よって32年のチェルノブイリと比較してこの先どうなるのか想像出来ますか?
放射能問題抜きに未来なんて語れない。
被ばく問題にしっかりと向き合う。
食べて応援に乗らない。
被ばくは福島たけではない。
東京の蛇口から放射能。
子どもたちを保養に出すことのいかに大切なことか。
今一度しっかりと向き合ってください。
「チェルノブイリ法日本版」が条例制定されれば食べて応援に乗る愚かに気付くでしょう。
放射能汚染と被ばくは福島たけではない事に気付くでしょう。
そして何より「チェルノブイリ法日本版」獲得の暁には、今度は堂々と子どもたちを保養に出すことが出来るのです!
団結して獲得しましょう!
(柴田政典・つなごう命の会)
◎原発は、始めた人がきちんと責任を取るべきです。つまり、日本の国として責任ある立場の人たちが、取り掛かりを決めたのですから、その任にある人は、それだけの責任をもって、ことにあたるべきです。
でも、それをせずに、事が起こってからも、適切な処置を何もせず、今や、無かったことにする方向ばかりが目立つ中、この『チェルノブイリ法日本版』は、あるべき姿を示したこの日本において、画期的な出来事です。
ぜひ、これを生きた法として位置付き、現在、多くの困難な思い、現状に向き合わざるを得ない状況が、少しずつでも良い方向に変化していくことを願っています。
それは、日本、世界、地球の人の存亡にも関わることだと思っています。「甲状腺がんの発症と3.11の事故の因果関係はない。」と先日、テレビで話されている方がいましたが、毎日、自身の症状と一緒に生きている子供たちが、きちんとした取り組みの中で生き、安心した気持ちになれる生活の場が保障される法の成立に感謝です。
(入澤牧子)
◎本日は結成集会の開催、ありがとうございます。
松戸市で被ばくした子どもたち、市民を代表して御礼申し上げます。
3・11から7年。松戸市は原発から200km離れていますが、放射能汚染のホットスポットになりました。今でも1万bq、2万bqの土が見つかります。
あの時、まるで寝ていた自分を叩き起こされたように、目を覚まされました。原発が日本中に造られていたこと、そして日本の政治のあまりにも酷いこと…。
それでも民主党政権の時は、官僚の方と少しは話が通じていました。ところが安倍政権に変わった途端に、全く話が通じなくなったことを実感しました。
それだけ、政権の交代というのは大きなことなのですね。
20歳になる娘は、橋本病になりました。
の先彼女にこれ以上何も起こらないだろうか。
もし結婚して子どもを産む時が来たら、赤ちゃんは大丈夫だろうか。
母親として心配が尽きることはありません。
国は全ての子どもを守れ!
これは母としての怒りです。
チェルノブイリ法日本版を各地に!
この運動に心から賛同します。
頑張りましょう!
(増田薫・松戸市議会議員)
◎茨城県では東京電力福島第一原発事故から7年を経た今も、3000人以上の方々が避難生活を余儀なくされています。ふるさとを奪われ、コミュニティを破壊されて、それでも新しい土地での生活を必死に築いてこられた方々です。
それなのに、病院もお店も介護施設も不十分な上、線量がいまだ高い土地へ追い立てるように帰還を押し付ける政府には本当に腹が立ちます。浪江から来ている知人は、「帰りたくないけど、今帰らないと家の修復費用が出ないし、茨城に住み続けるお金もない。」と涙ながらに語ってくれました。
チェルノブイリ法では、年間1ミリシーベルトの地域であっても、移住の権利が保証されています。しかし、民主主義国家を自認する日本では年間20ミリシーベルトのところに子ども、妊産婦を住まわせようと言うのです。更に、放射線被害を恐れて自主避難した人たちを批判し、その子どもたちをいじめ、まるで悪者扱いです。被害者が肩身の狭い思いをして生活するのはどう考えても理不尽です。
私は、日本版チェルノブイリ法制定は、生存権を保証し、人権を守るために必要だと考えています。ですから、福島から避難されている方々だけの問題ではないのです。憲法に保障されている人権や生存権を具現化する重要な法律です。
憲法問題が議論されている今、まさに国民的課題として日本版チェルノブイリ法の制定に向けて声を上げ、実現していきましょう。
(荻三枝子・茨城県ひたちなか市)
◎チェルノブイリ法はチェルノブイリ原発事故の収束作業員(リクビダートル)と避難者の運動が合流し、当事者運動として旧ソ連の政治体制の末期に勝ち取られました。そこには、リクビダートルの中での連帯・ネットワークの形成と被災者が声を上げる広範な運動があり、それが基盤になっていました。福島原発事故後の日本では、収束・廃炉作業員は今も重層下請構造の下で個別バラバラにされており、自主避難者は住宅無償提供が打ち切られいまだ放射線管理区域並み(もしくはそれ以上)の放射線環境に帰還させられようとしています。
チェルノブイリ法の素晴らしいところは、生存権を脅かすリスクを強制したことについて国家の責任を認め、将来的な可能性を含めた被害に対して補償を規定したことです。しかし、日本の私たちにも子ども被災者支援法を運動により勝ち取った実績があります。これを実際の政策として実施させる運動を強めつつ、リスクを負わせた国・電力会社の責任をより明確に問い、チェルノブイリ法日本版(いわば東日本・福島法)の制定を目指すべきと思います。私も、これからさらに高線量環境下の廃炉作業を押し付けられようとしている労働者が団結し声を上げるための運動を練り上げながら、この制定運動に合流したいと考えています。
チェルノブイリ法は、ペレストロイカとグラスノスチが叫ばれた時代でソ連が終焉する過程であったとはいえ、国家に対する大衆運動が広範に形成されたことで誕生しました。私たちが問われているのは、法の成立そのものよりも、それを勝ち取る大衆運動の成長だと考えます。森友・加計問題で、一部の者たちがこの国を私物化している実態が明らかになっている今の社会・政治情勢の中で、この国のあり方を問う大衆運動のうねりを作り、様々な分野で民主主義を取り戻す中で、このチェルノブイリ法日本版の制定を勝ち取りたいと思います。
まだ出会い切れていない仲間達と、出会い・繋がる運動が必要です。ともに頑張りましょう。
なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
◎チェルノブイリでできたことがなぜフクシマではできないのか?
それは、国際原子力ロビーがチェルノブイリでの失敗(重松逸三を団長に国際的なチームを組んで、被ばくによる健康被害はないという結論を出したのに、チェルノブイリ原発事故被災者を納得させることができず、チェルノブイリ法の制定を許したことは、彼らにとれば失敗だったのです。)を教訓にして、フクシマでは、(彼らにとって)最善の方法をとったからです。すなわち、なるべく避難させない、安全宣伝を徹底する、国際的な権威(がありそうな団体名)を使う、最も大切な初期被ばくのデータをとらない、その後の健康被害も可能な限り調べない、健康被害の兆候が出てきても、屁理屈をつけて原因が被ばくであることを否定する、被災者を分断してお互いに反目させる等々。
これに対し、住民の側はあまりに無防備でした。何の準備もありませんでした。何の準備もしていなかった人々に対し、被ばくによる健康被害から目をそらさせることは簡単です。ウソも100度言えば、本当のように聞こえます。福島原発事故では健康被害は出ないと、繰り返し主張し、そう信じたい人たちに寄り添って、「復興、復興」と掛け声をかけ、被ばくのリスクを主張する人たちには「風評被害をあおる」と攻撃すればよい。
しかし、私たちや私たちに続く将来の世代の生活や健康を彼らに差し出すことはできません。多くの市民は、粘り強く反被ばくの運動を続けてきました。そして、その一つの結実として、本日の「チェルノブイリ法日本版の会」の設立があります。
県民健康調査のデータすら隠され、毀損されようとしている現在、甘い見通しを持つことはできませんが、世界の人々に対する責任、子どもや将来の世代に対する責任を果たすための運動として、この会の持つ意味は大きいものがあります。今の政府の被ばく政策を軌道修正させることができなければ、この被ばく政策は、今後、世界で予想されている原発事故の際の被ばく対策のモデルにとされてしまいます。
私たちは、世界の人々に対し、将来の世代に対し、限りない責任を負っていることを自覚しなければなりません。
(井戸謙一・弁護士)
◎市民立法による「チェルノブイリ法日本版」という発想はすごいと思います。
子どもたちを放射能汚染から守るためにも、主権者であることをあきらめないためにも。
(市川はるみ・フリージャーナリスト)
◎『人類の幸福』これは世界共通の人々の願いであり、本来なら誰も奪うことができない尊い権利です。とりわけ子どもたちの幸福と健康は保証されるべきものと思います。
その意味では原発事故は最大の暴力であり人権侵害です。
チェルノブイリ法日本版が、この理不尽な人権侵害から子どもたちを救う光となりますよう願っています。
(佐川美佳子・福島市・まつもと子ども留学生の親)
◎私たちの「福島の子どもたちを守る会・北海道」は、2011年6月に結成され、東日本大震災に被災された方々、とりわけ、東京電力福島第一原子力発電所の爆発、メルトダウンという過酷な状況に遭遇されたお子さんを支援する活動を続けております。避難が困難であれば、せめて、長期休暇を利用して、放射性物質の少ない北海道へお招きし、思い切り深呼吸したり、外遊びをすることを通して、免疫力を高め、被ばくによる健康リスクを少しでも軽減できたら考えております。
あれから7年が過ぎましたが、まるで原発事故などなかったかのように、福島への帰還がすすめられ、県外へ避難したり、保養へ出かける県民に対して、まるで風評被害を煽る元凶であるかのような、バッシングが行われています。いまだ全国で5万人(北海道では約1850人)の方々が避難生活を送っているにもかかわらず、様々な支援は縮小し、国も東電も責任を果たしていません。このような状況に風穴をあけることが重要だと痛感しています。
現在、国会では、森友問題で、決済文書の改ざんが明らかになり、政府の責任を問う声は日増しに大きくなっています。嘘と、デマと、隠ぺい、改ざん、ねつ造がまかり通る政治は、まさに、原子力行政にも共通するものであり、もはや日本は法治国家とはいえないほどです。
このたび、日本版チェルノブリ法の制定という市民立法をめざす会が結成されると伺い、連帯のごあいさつと、この間諸準備に奔走された皆さまのご活動に心から敬意を表させていただくしだいです。市民立法は大変なご苦労が伴うと存じます。しかし、阪神淡路大震災の折、小説家の小田まこと氏などが中心となり、市民が国会へ働きかけ、市民議員立法として被災者生活再建支援法を制定させたことを想起します。とても十分な補償とはいえませんが、少なくとも、自然災害は自助努力で生活再建すべきという当時の考え方の転換を迫るもので、これまで義援金に頼ってきた被災者支援が国策で行われることになりました。ましてや原発災害は国策による人災であることは明白であり、避難の権利を認めること、公的な生活支援、命と暮らしを守る権利を保障することは不可欠です。日本版チェルノブイリ法制定へ一歩踏み出されました今日、運動が全国に広がり、腐敗した政治を市民の手に取り戻し、一日も早く法律制定が実現されることを願いますとともに、北海道でもできる事に取り組んでいきたいと考えております。共にがんばりましょう。
(山口たか・NPO法人 福島の子どもたちを守る会・北海道 理事長)
◎12
年前に有機農業運動を背景に有機農業者たちが発案し、当時民主党のツルネン・マルティーさんが 中心になった議員立法「有機農業推進法」(平成18年)制定されました。
1970年初頭から迫害され苦闘してきた有機農業運動とそれを支援する人たちによるひとつの成果でした。
チェルノブイリ法日本版制定も迫害され苦闘してきた被災者と心を寄せる人間によって実現できるよう 賛同します。
(田中正治・新庄水田トラスト)
◎The Chernobyl law, which assists refugee suffering
from nuclear disaster, is little known in Taiwan.
However, it’s promoted
with tremendous sacrifices and numerous protests.
I think it is a fortunate
incident born in the ash of the unfortunate Chernobyl nuclear disaster.
I
sincerely hope Japan will have it soon.
(訳文)
私が住む台湾では、原発災害の被災者に対し国家が援助・支援を行うチェルノブイリ法について知っている人はあまりいません。しかしこのチェルノブイリ法は、多大な犠牲と民衆によるプロテストによって成立されたものです。この法律の制定は、チェルノブイリ原発事故という不幸の灰から生まれ落ちた、希望を示す出来事だと考えています。日本でチェルノブイリ法が一日でも早く成立することを心より祈っております。
(宋瑞文)
◎「知られざる核戦争」と人権
事故後丸7年経ちました
核被害を無いものとする圧倒的な戦力を持つ「知られざる核戦争(核被害を無いものとする核推進権力の市民に対する総合戦)」が総攻撃の様相を呈しています。
歴史を繰り返させて良いものでしょうか?
ファーレル准将の言明
原爆投下直後1945年9月2日の日本の降伏文書調印を取材に来た新聞記者が、アメリカとイギリスでヒロシマを報道し「まったく傷を受けなかったものが1日100人の割合で死んでいる」等の報道をしました。それを否定するために、6日、マンハッタン計画副官ファーレル准将が東京入りして「広島・長崎では、死ぬべき者は死んでしまい、9月上旬現在において、原爆放射能で苦しんでいる者は皆無だ」と宣言し、その後は占領軍等によりファーレル言明に従う「調査」「処理」がなされ、「公式見解」が作られました。
ファーレルの政治的言及はずっと日米の公式見解とされてきました。1968年、日米両国政府が国連に共同提出した広島・長埼原爆の医学的被害報告のなかには「原爆被害者は死ぬべきものはすべて死亡し、現在、病人は一人もいない」と書かれておりました。
1975年末に原水爆禁止運動として第一回国連要請団が国連に要請書を提出しようとした際には上記報告書を理由に事務総長はそれを受理しなかったことが報告されています(故肥田俊太郎先生)。
この被害事実の封じ込め、すなわち「知られざる核戦争」はその後の人道を求める巨大な声に押されてほころびが出るに至っています。国連核兵器禁止条約が圧倒的な多数で採択されるに至り「核兵器は人道に反する禁止すべき兵器」とされました。
安倍首相の言明
東京オリンピック招致決定直後、安倍晋三首相は記者会見しました。原発事故に関して、「健康に対する問題は、今までも、現在も、これからも全くないということははっきりと申し上げておきたいと思います。 さらに、完全に問題ないものとする抜本解決に向けたプログラムをすでに政府は決定し、すでに着手しています。私が、責任をもって、実行して参ります。」と言明。
安倍言明の実施部隊は誰でしょう?
今回の執行部隊は占領軍ではありません。日本、官民挙げて(政府、行政、司法、地方自治体、多くの市民が)首相言明どおりの事故処理の「抜本解決」を執行しようとしています。もちろん背後には国際原子力機関、国際放射線防護委員会、原子放射線の影響に関する国連科学委員会が大本営を構成します。
7年間の「知られざる核戦争」
放射能は言うな、健康被害は一切無い
政府が認めるだけでも広島原爆の168発分の放射能が放出しています(きちんと見れば400~500倍とされる)。健康被害が無いはずがないではありませんか?
政府や東電、福島県などの自治体、それを支える「専門家」は必至で「健康被害は無い」の大合唱をいたします。なぜか?それは実際に被害が出ているからです。
復興庁による「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」、農林省による「今、私たちにできること、風評に惑わされない生活をしよう」、「食べて応援しよう」キャンペーン、池田香代子ら:「しあわせになるための『福島差別』論」、福島県による「復興」「帰還」、等々。
一口で言えば、放射能を客観的に論議しようとすること自体が「風評である」とされ、放射線の健康への影響はないと思い込むことが「幸せを作る」のだという心の問題に置き換えられます。根拠なき精神論は猛威を振るいます。
首相の「抜本解決」の内容はどうなのでしょう。
(健康被害)
「健康被害が無い」ことは最大の健康被害が表面化している小児甲状腺がんを放射線と関係づけさせないことにより、防護線が張られます。患者発生率が事故原発からの距離に反比例すること、土壌汚染の強度に比例することを挙げただけでも、事故との関わりは明白です。その他がんの男女発生率、疫学統計分析等々数々の証拠がある。これが一貫して「事故との関係は見出されない」として、健康被害を封じ込めています。
(風評)
「風評」は、現実の被害を否定するために使われている用語です。被曝に関する科学的な認識が遠ざけられています。現実の被害の事実を心の問題にすり替える日本住民に対する思想統制ともいえる象徴的用語です(現に放射能は“禁句”とされる状況が報告されています)。それを隠そうとするがゆえに、「放射能に健康被害は無い」「健康被害が無いと思うことが幸せになる条件」などと精神主義を吹聴するのです。
(放射能環境下の日本)
甲状腺がんと診断され手術を受けた福島県内の患者84人のうち約1割の8人ががんを再発し再手術を受けました。老衰やアルツハイマーによる死亡率が事故後急増しています。赤ちゃんの周産期死亡率の急増や、心筋梗塞などの増加が確認されています。お葬式が多くなったという新聞記事も現れました。
これらは今もなお放射線被ばくが継続している証拠なのです?
(事実を棄民の政策内容で起き変える)
「避難者は既にいません」は「避難者支援の予算はゼロです」に置き換えられます。住宅支援等を停止することにより帰還が強制され、「復興」が全面的に展開する強制被曝が進みます。
(まだ自立できないの?)
強制帰還を支える民間のキャンペーンは「もう7年もなるのに自立もできないで『避難』支援を訴えるのは見苦しい。自立できないのなら帰りなさい」と言います。被災者は「モラル」上でも責め苦を負います。
(郷土愛が食い物に)
純朴な郷土愛「先祖伝来の田畑を守りたい」が政府・国際ロビーの最安上りの棄民政策「避難させるな」に形の上で完全一致し、完璧な餌食となっています。数々の悲劇の「絆」が生まれています。
大切な先祖伝来の土地を守ることと安全な食材を供給するという農民の天命は大きな矛盾を抱えます。その矛盾を乗り越える「住民の戦略」を持ちましょう。
(被曝を避けるのが生きる権利)
内部被曝を避けるためには放射能汚染食材を避けることが第一です。
私たちに食材を選ぶ権利を保障してください。
汚染区域内にいる人もその権利を主張してください。自らの命を自ら守ってください。
(命を人権の下に守るたたかいを)
作物が低価格であることが「風評被害」であるならば、政府に全部買い取らせて市場に出すことをやめるようにしようではありませんか!
決して「放射能を語らないことが生活を安定させる」のではありません。
政府の住民を守らない政府の都合を最優先する安上り支配を住民側からサポートすることはしないでください。
(汚染地域もそうでない地域もともに人権をたたかいましょう)
被曝を避けようと当たり前のことを主張すると、得てして汚染地内の人を侮辱すると捉えられがちです。「福島県民の敵」とも発せられたことがあります。
そうではありません、一緒に生き延びましょう!
大切な先祖伝来の土地を守ることと安全な食材を供給するという農民の天命は大きな矛盾を抱えます。
セシウム汚染は孫の代でも今の10分の1程度です。
農漁民の天命を全うする、大きな矛盾を乗り越える「住民の戦略」を持ちましょう。
「日本住民全てに被曝を迫る」戦略ではなく、人権の主張するところの人道に立つ戦略に切り替えましょう。
(侵略戦争の「臣民」にはならないようにしよう)
安倍晋三首相の「健康に対する問題は、今までも、現在も、これからも全くないということははっきりと申し上げておきたいと思います。 さらに、完全に問題ないものとする抜本解決に向けたプログラムをすでに政府は決定し、すでに着手しています。私が、責任をもって、実行して参ります。」という言明に協力することはやめましょう。
事実の隠ぺいと棄民の宣言なのです。
私たちは被曝を回避する必要性とその権利を改めて確認します。
食品に関する現状を確認しますが、厚労省による食品汚染マップを次の図に示します(2017年上半期、厚労省調査、ホワイトフード地図化)。
東日本の太平洋側、内陸部に食材汚染が多く認められます。
内部被曝を避けるためには放射能汚染食材を避けることが第一です。
私たちに食材を選ぶ権利を保障してください。
同時に東北地方で生きる人々の生きる権利も保証してください。それ等を含む共通の人権保障が私たちの“人道”です。
人格が武器そのものに変換されるー心も体もー
「放射能の被害は無い」キャンペーンは巨大な利益を「核兵器推進勢力」に与えます。原爆投下以来続いた「知られざる核戦争」の全面的展開です。トランプ大統領の核戦略見直し「核抑止力強化」の精神的抵抗・障壁を無くするものです。日本政府はもろ手を挙げて「実戦で使える小型核兵器の抑止力」に賛成しています。日本を「戦争をする国」に変えようとしています。
戦争をする国造りはひとを「人格」から「武器そのもの」に変換します。命を大切にする民主主義の基本が放棄されます。
「お国のため」の「高貴な日本型精神」が棄民策を覆い隠します。
「放射線で健康被害がある」と考えることが非国民とされる社会はまっぴらゴメンです!
「戦争ができる国づくり」には反対です。
放射線は生命に異質な危険をもたらします。
核兵器は禁止すべきです。核発電(原発)は禁止すべきです。
すでに放射能分野では事態は深刻です。
原子力緊急事態宣言の下で総動員体制は大きく進んでいます。
放射能版の「高貴な精神」は「放射線に健康影響は無い」とただ信じる精神に置き換えられ、被曝を防護しない国の「棄民」政策をありがたいといただきます。放射能が関与する膨大な症状を有する「活性酸素症候群」は放射能に関係ない「奇病」とされます。福島県内在住の小児甲状腺がん手術者84人のうち8人が再発しています。一見元気で遊ぶ子供の目にはクマが現れています。これらは日々放射線被ばくが続いている証拠ではないかと思われます。
しかし、政府のキャンペーンは、放射線に健康影響は無い」と信じることで「幸せ」になれると言います。放射能被害は無いと思う幸せを「食べて応援」で甘受しようと大合唱しています。この幸せはなんでしょう?戦前の「国家総動員」の幸せです。
政府の方針は「一人一人を大切にする」民主主義とは逆のように思います。
人格を支えあう人々が社会を守る
チェルノブイリでは住民を保護する「チェルノブイリ法」ができ、いまだに生きています。日本では真逆な加害者の論理がまかり通ります。
なんと日本の人権は軽いのでしょう!
しかし人格を支えあう非常に多くの人々が健在しています。
「一人一人が大切にされる社会を作り上げましょう。」
この声は虐げられつつある市民の声なき声です。一人一人が大切にされることを社会の基本として、一人一人の人間たるところを示そうではありませんか。
(矢ヶ崎克馬・琉球大学名誉教授)
(2018.3.17日現在)