2019年8月16日金曜日

【速報3】三重県伊勢市でスタートした「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求に寄せられたノーム・チョムスキーのメッセージ(2019.8.15)

三重県伊勢市でスタートした「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求(その詳細は->こちら)に寄せられた、今年90歳の米国の人権活動家ノーム・チョムスキーからのメッセージを紹介します(参考:「ノーム・チョムスキー~ふくしまの声を聴く」)。 


From:     Noam Chomsky <chomsky@‥‥>

Will this help.

Noam
-----------

I understand that there are local initiatives calling for enactment of “the Chernobyl Law in Japan” in Ise City, Mie prefecture, the first city to take such a step.  These courageous citizen actions should encourage others to pursue the same course, reaching the national level.  It would be a most important contribution to bringing not only Japan, but the whole world, to understand and confront the grim threats posed by nuclear facilities and the urgent need to protect the health and safety of people who may be victims of their misuse.  These efforts merit strong local and international support

Noam Chomsky


(仮訳)

私は、「チェルノブイリ法日本版」の条例制定を求めて、最初に、三重県伊勢市が一歩を踏み出したことに共感します。
この勇気ある市民の行動は、今後、日本の各地で同様の条例制定を求める人々に大きな勇気を与え、国政レベルで法律の制定が実現することでしょう。
原子力施設がもたらす深刻な脅威を理解しこれと向き合う時、そして原子力施設の乱用により犠牲者になるかもしれない人々の健康と安全を守るため、今すぐ必要な対策を理解しこれと向き合う時、「チェルノブイリ法日本版」の条例制定を求める伊勢市の市民の行動は、日本国内だけでなく全世界にとっても、大変重要な意味があります。
伊勢市の皆さんの努力は、地元ばかりか国際的にも強力な支持を受けるに値するものなのです。

ノーム・チョムスキー

) 参考
*「ふくしま集団疎開裁判の会」のインタビューに答えて(2013.5.29)
福島のような大惨事を防ぐために解決しなくてはいけない、化石燃料、原子力、代替エネルギーや組織にまつわる問題が山済みであることは事実ですが、一部の問題はとても緊急を要するもので、他のいかなることよりも最優先されなくてはいけないことの第一は、 被ばくの深刻な脅威にさらされている数十万の子どもたちを救うことです。
この緊急の課題に対して解決策を見つけ、政府にそれをさせるためのプレッシャーを日本の市民の力でかけなくてはいけません。そして、その非常に重要な取組みに、私も支援できることを望んでいます。


*チョムスキーの政治的発言の日本語訳アーカイブ

*チョムスキーとメディア(YouTube)

*ハワード・ジンとの共同インタビューその他(デモクラシーナウ!2007.4.16

*「中心の崩壊~ラディカルな想像力の再考」(2010.5.31)

2019年8月2日金曜日

【速報2】三重県伊勢市でスタートした「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求の要旨と条例案(2019.8.2)

【速報+詳細】でお伝えした通り、
三重県伊勢市で、市民団体「ふくしまいせしまの会」が「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求の署名活動を7月31日からスタートしました。
以下は、「ふくしまいせしまの会」が作成した今回の直接請求の要旨と条例案(条例の名称は「原発事故に伴う放射能災害から伊勢市民を守るための条例」)です。

1、「原発事故に伴う放射能災害から伊勢市民を守るための条例」)制定への要旨


2、 「原発事故に伴う放射能災害から伊勢市民を守るための条例」案







2019年8月1日木曜日

【速報+詳細】三重県伊勢市で、「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求の署名活動が7月31日からスタート(2019.8.1~7)

フランス、オーストラリア、ドイツ、カナダ、アメリカなど国外からも賛同メッセージが寄せられています(->以下の◆1や末尾のコメント欄)。
沖縄から長文の賛同メッセージが寄せられました(->以下の◆1)。
直接請求の要旨と条例案をアップしました->こちら
毎日16~17時、伊勢市駅前で、パラソルと机を出し、一般向けに署名集めをやっています(->以下の◆3)→8月1日の中日新聞の記事(->以下の◆4)になりました。
末尾とその下のコメント欄に、直接請求アクションに対する国内外の皆さんから寄せられた声を載せました(->以下の◆1)。
7月30日、伊勢市長から請求代表者証明書が出たあとに行った記者会見が翌日、中日新聞の記事(->以下の◆2)になりました。
        *********************

2017年5月、私たち市民の手で「チェルノブイリ法日本版」条例を作ってみませんかと、条例の市民立法を呼びかけた市民がいました。
伊勢神宮で知られる三重県伊勢市(下の地図の赤い地点)。その伊勢市の保養団体「ふくしまいせしまの会」を主宰する上野正美さんです(市民立法の始まり--一人の声から始まる。その呼びかけ文->こちら)。


それから2年余り、この間、仲間と 「チェルノブイリ法日本版」伊勢市条例の制定に向けて草の根で準備を重ねてきました(以下は2019年2月6日の記者会見)。


 先月22日、その準備が整い、いよいよ直接請求)に向けて、具体的なアクションとして最初の一歩(請求代表者証明書交付の申請)を踏み出し、この申請に対し30日、市長から決済がおりました。
その結果、昨日31日から今月30日までの1ヶ月間、伊勢市の有権者の50分の1(2500名)の署名を集めるための直接請求のクライマックスともいうべき第2のアクション(署名の収集)に踏み出します。

)直接請求
第二次世界大戦のあとの日本の民主化の一環として、職業的政治家である首長や議員による代表民主主義の形骸化、限界(民意をめぐる住民と政治家とのズレ、齟齬)を埋めることを期待されて導入された住民による直接統治方式。
その1つである「条例の直接請求」とは、住民が有権者の50分の1の署名を集め、条例の制定(または改廃)を市長に請求できる制度のこと。
直接請求の条例案が議会で可決され、原発建設の是非を問う住民投票が実施された例は過去に3例(新潟県巻町、新潟県刈羽村、三重県海山町(現紀北町))あり、いずれも反対多数で建設は実現しなかった。

過去に、日本の市民運動は各地で、住民自身にとって最も身近で大切な問題、命、健康、環境その他の問題の解決のため、自ら行動を起こしてきた歴史があります。原発建設や産業廃棄物処理施設建設の是非をめぐる問題などでおこなった直接請求です。
けれど、原発事故が起きた後の救済を求める直接請求は今回が初めてです。日本史上なかった未曾有の事故である原発事故が起こってしまった以上、この「新しい酒には新しい皮袋」が必要です。その1つが、今回の直接請求による 「チェルノブイリ法日本版」伊勢市条例の制定です。

詳細はこのあと、以下にアップします。
◆4 7月31日から毎日16~17時に伊勢市駅前でふくしまいせしまの会」がやっている、 一般向けの署名集めの取り組みが記事になりました(中日新聞8月1日)



3 毎日16~17時、JR&近鉄の伊勢市駅前(外宮側)で、パラソルと机を出し、一般向けに署名集めをやっています。ぜひ、お立ち寄り下さい。
                   JR駅舎(南口・外宮側)(ウィキペディアより)

◆2 7月30日、伊勢市長から請求代表者証明書が出たあと「ふくしまいせしまの会」が行った記者会見を報道する記事(中日新聞7月31日)

昨日から始まったアクションは「大草原の中の小さな家、それも家の棟上げ」みたいなものかもしれません、
けれど、311のあとにやるべきことは何か、それを自ら明確に示した今回の市民自身のアクションは「市民が自らの運命を決める行動」として貴重な一歩です。
これから伊勢市でスタートする「2500名以上の署名集め」、これに注視下さい。
そして、このアクションに対する皆様の賛同、注目をお願いします(よろしかったら、末尾のコメントに賛同メッセージをお寄せ下さい)。書き込みがうまくいかない方は->tonke*song-deborah.com(*を@に変換)までメッセージの送信をお願いします。

) 参考資料:「チェルノブイリ法日本版」伊勢市条例案(柳原案)

◆1 皆さんからの声(2019.8.12現在)(敬称略)

ポール・マッカーティン(神奈川県)
賛同します。 
長谷川澄(カナダ・モントリオール)
アジアの国々を含め、世界が原発はもう使えないものだと分かり始めている時に、大事故を起こした日本が、何をしているのだろうといつも思います。その中で、皆さんが粘り強く運動を続けていることに敬意を表します。
福島でも、チェルノブイリ法日本版制定のための会ができたと聞いた時、やっとそこまで来たのか、すごいなと感じました。今回、伊勢市で、条例の制定を目指す直接請求の署名がはじまったことを知り、また階段を一段上ったと思いました。心から応援しています。

わしお とよ(ドイツ、メアブッシュ)
賛同します!このような動きが出てきて非常に励まされています。日本という保守社会の中で動くというのは実にしんどいことだと思います。であるからこそ尊敬に値します!私も2012年からドイツでささやかな脱原発運動に参加していますが日本人の多い街にいても、おおかたの人は企業がらみで政治的活動に参加する人は、したくてもできない、から始まって、無関心に終わります。おそらくは日本社会の縮図みたいなものでしょうか。企業がらみでない日本人は賛同して下さいます。成功を祈っています!

北原久嗣(大学教員・東京都国立市)
直接請求は署名活動期間中、まちのいろいろなところで、いろいろな考えをもった人々が話し合うことを可能にします。ひとりひとりの言葉がつながり考え行動する動きが広がることを願っています。

南さや(オーストラリア->Facebookの賛同メッセージ
私は「チェルノブイリ法日本版」伊勢市条例の制定に心から賛同します。
今を生きる日本の家族・子供たちを守るために一刻も早い制定を希望します。

神田香織(講談師) 
「ふくしまいせしまの会」の皆様、今年も保養に取り組んでくださりありがとうございます。
「チェルノブイリ法日本版」条例制定をめざす直接請求アクション、大変心強く嬉しい限りです。
日本中の各地でも取り組んで一日もはやい「チェルノブイリ法日本版」の成立を願ってやみません。

鈴木英敏(取手市)
学ぶだけ、意見表明をするだけの一市民の私にとって、「ふくしまいせしまの会」の皆様が署名集めを開始したとのニュースは、大きな“衝撃”でした。誰もが持つはずの「放射能災害から守られるべき」との思いを、条例という行政の補償制度として結実させようとする本気さとエネルギーの凄まじさは、伊勢市民に限らず私を含めた多くの人々に民主主義の意味を問い、主権者としての目を醒まさせ、日本中に政治参加の新しい地平をも拓くものとなるに違いないからです。
避難先がどこも他の原発の事故災害危険地域たり得るという皮肉な状況下で、最低限のセイフティネットを用意しておくことは生きて行くための最低限の要件だと思います。
炎天下で奮闘しておられる皆様に、心から敬意を表しますとともに、小声ですがエールを送らせて頂きます。

矢ヶ崎克馬(沖縄つなごう命の会)
原発事故での移住の権利の条例の制定、是非成功させてください。
私たちは沖縄県に陳情して福島県原発事故避難者への支援の継続を沖縄県独自の施策として実施していただいております(2019年度としては全国で唯一の都道府県)。しかし単なる予算措置としては限界があります。福島県以外からの避難者への支援は獲得できておりません。また、沖縄県内の 住民の被曝防止(特に内部被曝防止)策が実施できていません。沖縄県でも2011年以降死亡率が増大しております。厚労省人口動態調査の分析からは全国で30万人になんなんとする人が被曝によると判断できる犠牲者になっています。
政府の姿勢を変えなけれなりませんが、地方自治体の住民直接請求の条例の制定は貴重です。是非成功させてください。
願わくは、住民の被曝、特に内部被曝の防止を図ることを明示する条例を制定してください。

纐纈 美千世(埼玉県)
 このたび始められたアクションに賛同します。

岡田俊子(さいたま市)
各地でチェルノブイリ法日本版の条例制定に取り組んでいる方達、取り組もうと考えている方達の目標と励みにある行動に賛同と感謝の意を表します。
日本全国どこで起きるかわからない原発事故から未来ある子ども達を守り、私達の生活を守る為に共に力を合わせ、支え合いながら頑張っていきましょう。

郷田みほ(郡山市)
市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」制定直接請求の署名行動の実現、心から敬意を表します。
「ふくしまいせしまの会」のみなさま力をいただき、私たちも実現に向けて頑張るぞ!というエネルギー源にします。

三宅征子(調布市)
市民が育てるチェルノブイリ法日本版制定の先陣を切られたことに、心から敬意を表します。私達も後に続けるよう頑張りたいと思います。

沢田昭二(愛知県)
「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求の署名運動に広島の被爆者としてまた物理学者として賛同・共感します。

笠原 一浩(弁護士、大飯原発差止訴訟・福井弁護団事務局長、緑の党・北陸地域代表)
3.11後、超党派で子ども・被災者支援法が成立し、福島原発事故の被害者をはじめとする多くの人々が、これが「日本版チェルノブイリ法」になるものと期待しました。
ところが、とりわけ自民党政権になってからというもの、法律の具体化はほぼ全面ストップし、あたかも3.11がなかったかのように、経済的合理性すら無視して原発再稼働に邁進しています。
そうした中、日本文明発祥の地のひとつである伊勢市にて、「チェルノブイリ法日本版」条例が制定されようとしているのは、被害回復・再発防止の双方にとって大きな意味があると思います。
伊勢市長は私とも親しくさせて頂いており、また脱原発首長のリーダーの一人です。この条例の成立を心から期待します。

コリン・コバヤシ(フランス)
賛同します。

2019年7月25日木曜日

【お知らせ】8月30日(金)市民立法「チェルノブイリ法日本版」学習会「なかったことにはさせない!--福島原発事故の人権侵害」(東京都調布市)

東京都調布市の調布市市民プラザ あくろすで、8月30日(金)、市民立法「チェルノブイリ法日本版」の学習会を行います。

311から8年が経過し、来年の東京オリンピックまで1年を切りました。
今、政府と関係機関は福島原発事故は完全に収束したことを世界に知らしめるため、最大の懸案事項である「被ばくによる健康被害」の問題について、決着をつけるタイムリミットが迫っていると、次々と「なかったことにする」報告を公表しています。
・その1
先月3日、福島県の「県民健康調査」検討委員会の評価部会は、福島県で多発中の小児甲状腺がんについて「被ばくによる小児甲状腺がんの発症」は「なかったことにする」報告書を作成、24日、検討委員会でも了承されまた(報告書。その問題点は->こちらで紹介)。
・その2
今月、参議院選挙直前の先週19日金曜日、住民の線量データを無断で使ったとして、昨年暮れ、住民から倫理違反、研究不正の調査申立があった宮崎早野論文、申立を受理した東大と福島県立医大は、放射能の影響を従来の見解より大胆に過少評価した同論文に「 倫理違反も研究不正もなかった」とした調査結果を公表(東大医大。その問題点は->こちらで紹介)。
いま次々と、人権侵害は「なかったことにする」報告が公表されています。

しかし、政府、福島県、東大、医大が「なかったことに」しようとしても、放射能は「なかったこと」にしてくれません。
政府、福島県、東大、医大が被害を忘れたがっても、放射能は忘れさせてくれません。
健康被害を「なかったことにする」政策は、現実に健康被害で苦しむ人たちにとって「理不尽」以外の何物でもありません。
この「なかったことにする」政策に対し、「理不尽です」と抵抗するのが市民立法「チェルノブイリ法日本版」です。
「命こそ宝」と思う人たちにとって、それはやむのことない正義のつぶやき、行動です。

 日時:2019年8月30日(金) 13:30~ (開場13:00) 
 会場:調布市市民プラザ あくろす(公式サイト)  3階あくろすホール1 
     東京都 調布市国領町2-5-15 コクティー2階・3階
     京王線国領駅下車 北口徒歩1分
  電話  042-443-1211(代表)->地図)    
 演題: 市民立法「チェルノブイリ法日本版」学習会
     なかったことにはさせない!
     -福島原発事故の人権侵害を
     -理不尽だと抵抗するのが市民立法「チェルノブイリ法日本版」      
◆ 講師:柳原敏夫(市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会・共同代表)
◆ 連絡先 042-482-7834(三宅征子)
◆ 以下のチラシのPDFは->こちら

2019年6月13日木曜日

【続報】2019年6月13日、福島県郡山市の今「東山霊園」のフレコンバック

 2019年6月13日、福島県郡山市の今。「東山霊園」のフレコンバック

 【謝辞】本日の道案内をしてくれた橋本あきさんに感謝申し上げます。
橋本さんは、チェルノブイリ法日本版制定を願う人たちの原点「正しく怒る」(以下のプレゼン資料50頁)、これを文字通り地で行く、「郡山のチコちゃん」です。


2018年12月に、福島県で初めてのチェルノブイリ法日本版の学習会を郡山市でやったとき、「郡山のチコちゃん」こと橋本あきさんの案内で、市内各所を案内してもらいました(その報告は->こちら)。ただし、時間切れで、市内の仮置き場のフレコンバックの移動先になっている東山霊園(郡山駅から南東約10キロにある市営墓園)を訪れることはかないませんでした。

      2018年11月橋本さん撮影の東山霊園の奥のフレコンバック(その1)
  同じく(その2)

半年後の6月13日、友人の火葬のため、 東山霊園を訪れた機会に、上の写真(赤丸部分のフレコンバック)の現場を撮影しました。実は郡山駅に戻る途中で、急に、えも言われぬ頭痛に襲われ、東京にもどっても頭痛が抜けませんでした。この日、線量計を持参しなかったことが悔やまれてなりません。

東山霊園の中のフレコンバック(その1)
 橋本さんの叔母さんが眠る墓地から眺めた風景が上の写真で、墓地の奥に、ステンレス板で覆われてフレコンバックが積まれています。今回、赤丸で囲んだ部分を撮影したのが以下です。

 上の写真の赤丸部分ではボンヤリ黒い点が見える程度のものが近づくと、



さらに近づいて、ステンレス板の隙間から撮影すると、

その隙間にiPadを差し込んで、左右を撮影すると、


東山霊園の中のフレコンバック(その)(管理事務所脇)
  東山霊園の東側に置かれた管理事務所(→全体図参照)の脇に、上記の写真(その2)の通り、フレコンバックの大規模な置き場が出現。

 近づくと、


 さらに近づくと、



近づくと、除染等により生じた「放射性廃棄物」と表示しておらず、「除去土壌」 とある。説明責任ゼロ、啓蒙精神皆無。ボ-としていると、何のことだか分からないようになっている。

【追悼】
この記事を、この日、東山霊園で荼毘に伏された、元「ふくしま集団疎開裁判の会」代表の井上利男さんに捧げます。井上さん、安らかにお眠り下さい。

  【速報】本日、野田首相に、首都圏反原発連合を通じて、「ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現」の申入書を手渡しました

******************************

2012年8月22日
野田佳彦 内閣総理大臣
「ふくしま集団疎開裁判」の会
代表 井上利男
「ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現」の申し入れ

 道徳の究極の原理は「命こそ宝」であり、全ての政治の原点はこの命を守ることにあります。とりわけ社会の最も弱い立場の、傷つきやすく大切な存在である子どもの命を守ることこそ政治に課せられた最重要の使命です。
いま、この命が最も危機に瀕しているのが3.11以来放射能の被ばくを日々受け続けているふくしまの子どもたちです。
放射能は目に見えず、臭いもせず、痛みも感じない、そのため、その恐ろしさを私たちの日常感覚では理解できません。放射能の恐ろしさは科学、それも政治・経済の圧力に屈しない正しい科学の目を通して初めて理解できるものです。
チェルノブイリ事故が子どもたちを襲った健康被害の惨状をつぶさに観察・追求し、正しい科学の目を備えた海外の科学者、医師たちは、「いま、ふくしまの子どもたちの命が危ない」と次のように警告し、世界の話題になっています。

本年4月26日福島県から発表された甲状腺の「福島県民健康管理調査」で、13市町村の3万8000人の子どもたちの35%に「のう胞」が発見された問題に対して
・「この子どもたちは追跡調査をしてる場合じゃありません。のう胞や結節などの全ての異常は直ちに生体組織検査をして悪性であるかを調べるべきです。 こういった甲状腺異常が一年も経たないうちに現れるというのは早過ぎます。普通は5~10年かかるものです。これは、子どもたちが大変高線量の被曝をしたことを意味します。もしも悪性なら甲状腺の全摘出が必要です。子どもたちに甲状腺結節やのう胞があるのは、異常極まりありません!」(昨年4月、NYタイムズに「安全な被曝量というものはない」を寄稿した被曝問題に詳しいオーストラリアのヘレン・カルディコット博士)

・カルディコット博士の上記見解に同意します。福島原発事故後にこれほどすぐに、多くの子どもたちに甲状腺の嚢腫や結節が見られることに驚いています、なおかつこの事実が世間に広く知られていないことに驚いています。(Business Insiderの取材に答えたアメリカ甲状腺学会次期会長、コロラド医学大学の内分泌科チーフのブライアン・ホーゲン博士)

低線量の内部被ばくによる健康障害が直接被ばくした本人のみならず、その第二世代により強く現れ、第三世代にはもっとより強く現れるという問題に対して(本年5月の講演「福島の失われた時間」)
「(放射能による)遺伝的損傷は、また特にゲノムの不安定性の原因となる遺伝子周辺の損傷は、親よりも子孫たちに、より重い状態で出現するという発見は、研究者たち驚かせた。世代から世代へと危険がどんどん高まっていくのである。‥‥『原子力事故が変異を引き起す力は、これまで疑われていたよりもはるかに重大であることを、今や私たちは認識している。真核生物のゲノムには、これまでは決して起りえないと考えられていた水準の件数で、変異が起ることを認識している』1996 年4 月25 日号「ネイチャー」誌の編集後記。‥‥(福島に対し)日本政府は何をすべきか。これ以上汚染と被ばくが続くことにより、遺伝的な損傷がこれ以上悪化することを遺伝学者の指導によって食い止めなければならない。」(元WHO専門委員、スイス・バーゼル大学医学部名誉教授のミシェル・フェルネクス博士)

昨年9月21日、衆院議員会館での講演「チェルノブイリ事故後のドイツ・欧州」
「福島の避難区域は、補償しなければならないという経済的理由によって小さく設定されている。政府が最優先で守らなくてばならないのは子どもたちであって、原子力産業ではない」
(ドイツ・ミュンヘン大学教授、ドイツ最大の環境団体FoEドイツ代表のフーベルト・ヴァイガー氏)

正しい科学の目から見て、ふくしまの子どもたちの命はいま途方もない危険な事態にあります。
2009年の最新データによれば、350の英語論文を元にしたIAEAの従来の公表記録に対し、ベラルーシ語、ウクライナ語、ロシア語を中心とした5000の論文に基づいたヤブロコフ・ネステレンコ報告はチョルノブイリ事故により98万人以上の人々が命を失ったと報告しています。このままでは、人口密度がチョルノブイリの15倍()とされる福島県で今後どれほど膨大な数の被害者が発生するのか、想像を絶するものがあります。
では、どうすればよいのでしょうか。簡単です。今すぐ、子どもたちを放射能の被ばくから逃がすのです。なぜ今すぐか。チェルノブイリで世界標準とされる住民避難基準が採用されたにもかかわらず、98万人もの犠牲者を出したのは、その住民避難基準が不十分だっからではなくて、その基準の採用が事故後5年も経過してからで、人々はその間ずっと被ばくし続けていたためで、避難するのが遅すぎたのです。だから、今すぐ避難する必要があるのです。かつて、「国を守る」心得として「備えあれば憂いなし」を好んで口にした首相がいましたが、その格言は「命を守る」心得として、今こそふくしまの子どもたちの命を守るための集団避難として、直ちに実行されるべきです。

「子どもの命を救う」ことは国の最低限の道徳的責務です。人権保障すらなかった、かつての軍国主義国家日本でも、また全体主義国家ソ連でも行ったことです。ましてや、憲法で国に「子どもたちを安全な環境で教育を受けさせる」義務を定め、世界の先進国・経済大国となった今日のわが国でそれができない理由がありません。のみならず、そもそも日本政府は福島第一原発事故の加害者です。加害者は被害者を救済する義務があります。しかも子どもたちは遊んで原発をこわしたのでしょうか。子どもたちは福島へ原発誘致を賛成したのでしょうか。日本政府は加害者でありながら、福島第一原発事故に責任も関係もない100%被害者である子どもたちを救護しようとせず、このまま放置する行為は過去に例を見ない憲法違反の重大な人権侵害行為です。そして、この事実を知った国際社会から、国際法上の犯罪である「人道に対する罪」にも該当する重大な違反行為であると非難されたとき、どうやって釈明するのでしょうか。

郡山市の14名の小中学生は、昨年6月、苦しみの中で救済を求めているふくしまの子どもたちの声に耳を傾けようとしない文科省と自治体の人権侵害行為をただすため、「人権の最後の砦」である裁判所に避難の救済を訴え出ました(通称「ふくしま集団疎開裁判」)。裁判はいま二審の仙台高等裁判所に係属中で、先ごろ、10月1日に裁判を開くという異例の決定が出され、子どもたちの避難の申立を却下した一審判決が見直される可能性があるという重大な転換を迎えました。

かつて世界大戦からの復興にあたって「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」(憲法前文)と宣言した日本政府がこれ以上国際社会から「子どもの人権侵害の歴史に永遠の汚点を残した」と言われないように、また、ふくしま集団疎開裁判の重大な転換期にあたって、裁判所から「日本政府の放置は子どもたちの命を脅かす人権侵害行為である」と指摘される前に、原発事故からの復興の最優先課題として「命の復興」を掲げ、次の措置を直ちに実行することを切に求めるものです。

18歳以下の子どもたちを今すぐ被ばくの安全な場所に集団避難させること。
                                                                                 以 上

{}崎山比早子「チェルノブイリ大惨事による健康被害の実相:二つの報告書から--無視され続けてきたがん以外の健康被害」1157頁左段2行目(雑誌『科学』2011年11月号)


2019年6月11日火曜日

【報告】静岡県静岡市、6月8日(土)市民立法「チェルノブイリ法日本版」学習会「戦争と平和--私たちは放射能を忘れたがっている。しかし、放射能は忘れさせてくれない。非日常の非人間的現象の3.11ショックから立ち直り、正気に帰るための問い直しが不可欠--」

2019年6月の市民立法「チェルノブイリ法日本版」学習会を、 6月8日(土)、静岡放射能汚染測定室主催、第8回総会記念講演会として、静岡県静岡市の「アイセル21」でやりました。

参加人数は20名前後?とい事前の予測に反して、73名(内スタッフ9名)+子ども6名 計79名の参加となり、学習会後の、育てる会の賛助会員の申込も17名となりました。

静岡の水面下で、何か地殻変動が起きているのではないかと予感し、その意義を考えさせられた1日でした。 




以下、当日の動画とプレゼン資料&配布資料です。

動画
柳原敏夫の話(その1)(約32分)


柳原敏夫の話(その2)(約32分)


柳原敏夫の話(その3)(約33分)


柳原敏夫と参加者の質疑応答


育てる会のメンバー(岡田俊子、松本徳子)のスピーチ。


主催者代表馬場利子さんより閉会のあいさつ

 
プレゼン資料(全文のPDFは->こちら

http://1am.sakura.ne.jp/Chernobyl/190608Shizuoka-presen.pdf

配布資料(PDFは->こちら
 
市民立法「チェルノブイリ法日本版」実現のため、世界への接近の仕方                                  2019年6月8日
                                   柳原敏夫
1、雑念を払う。その時、真理が稲妻のように人々の心に届く 
 雑念を払ってみた時、311以後の日本政府の正体は民主主義国家とは「あべこべ」の独裁国家ではないのか。天安門事件の中国政府の正体と同じように、犯罪者ではないのか。
 雑念を払ってみた時、311以後の市民運動の姿は、かつての水爆禁止運動、公害運動、情報公開法の市民立法運動等にくらべ、未曾有の巨大過酷事故の現実に追いつかず、劣化が著しいのではないか。

2、「人間離れ」した世界を体感する試み。その時、未曾有の巨大過酷事故の現実に少しでも追いつく 
 なぜ原発事故から目をそむけてしまうのか。単に怖いからではなく、放射能それ自体が「人間離れ」していて、非日常的世界の現象であるから。原発事故の現実と向かい合うための第一歩は、人間が体感(経験)できる対象として放射能を再発見する必要がある。その時、原発事故の途方もない現実に近づける。

3、願いを持つ。それも未曾有の巨大過酷事故に匹敵する願いを持つ。その時アクションに踏み出せる 
 けれど、原発事故の途方もない現実は私たちが人類史の最終章の絶壁に立っているかのような気にさせる。その絶望の気持ちから、もう充分生きた自分だけだったらもういいと思っただろう。しかし、未来しかない幼い人たちは「それは身勝手だ。そして不条理だ」と思うだろう。その時、311以後露呈した不条理な「あべこべ」をただすためのありったっけの願いを総結集して、未曾有の巨大過酷事故に負けないだけの巨大な願いで取り組むしかない。それが絶望と巨大な願いを背負ったチェルノブイリ法日本版。

4、「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」、それがチェルノブイリ法日本版 
 福島原発事故で私達は途方に暮れた。日本全土と近隣国を巻き込み、過去に経験したことのない未曾有の無差別過酷災害だから。ところが未曾有の事故にもかかわらず、従来の災害の発想(災害救助法等)で救助・支援が行われ、そして支援は打ち切られた。「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」、これが私たちの立場。未曾有の無差別過酷事故には未曾有の無差別の救済が導入されるべし、それが健康被害が発生しようがしまいが事前の一律救済を定めた、原子力事故に関する世界最初の人権宣言=チェルノブイリ法。

5「子どもたちを被ばくのロシアンルーレットにさらさない」、それがチェルノブイリ法日本版
 福島原発事故で私達は途方に暮れた。放射能は体温を0.0024度しか上げないエネルギーで人を即死させるのに、目に見えず、臭わず、痛くもなく、味もせず、従来の災害に対して行ったように、五感で防御するすべがないから。人間的スケールでは測れない、ミクロの世界での放射能の人体への作用=電離作用という損傷行為がどんな疾病をもたらすか、現在の科学・医学の水準では分からないから。危険というイエローカードが出せない。にもかかわらず、危険が検出されない以上「安全が確認された」という発想で対応し(3日の福島県の甲状腺検査評価部会)、その結果、人々の命、健康は脅かされた。「危険が検出されないだけでは足りない。安全が積極的に証明されない限り、人々の命を守る」、これが私たちの立場。人々の命を被ばくというロシアンルーレットから守る。なぜならロシアンルーレットが当たったら、損傷した命、健康を元に戻すことは不可能だから。それが予防原則、これを明文化したのがチェルノブイリ法。

6「苦悩という避難場所から脱け出し、真の避難場所に向かう」、それがチェルノブイリ法日本版
 福島原発事故で私達は途方に暮れた。最初、人々は除染で放射能に勝てると教えられたが、それが無意味な試みと分かると口を閉ざしたから。避難できず、苦悩が人々の避難場所となった(2011.7「この哀しみ、この怒り、このいらだちをいつ、どこで、誰にどうぶっつけていいものやら」)。「苦悩という避難場所から脱け出し、真の避難場所に向かう」、これが私たちの立場。それが美しい謳い文句にとどまらず、現実に、安全な避難場所に避難する権利を保障したチェルノブイリ法。

7、「一人一人の市民の力で作る」、それが市民立法チェルノブイリ法日本版
 原発事故の本質は戦争です。国難です。他の全ての課題に最優先して、その全面的救済を実現する必要があります。同時に歴史の教えるところは、国難において、国家はウソをつく、犯罪を犯す。国難において現場にどんな悲劇があっても、一人一人の市民がその生死をかけて立ち上がらなければ何も生まれない(田尻宗昭)。1997年に市民が作った対人地雷禁止条約も、1991年、2人の市民のアクションから始まった。それ以外にも、私達には公式の日本史には載らない。以下の栄光の市民運動の歴史がある。
1872年 江藤新平らが、司法権の独立と民が官を裁く先進的な行政訴訟を作る。
 1954年、杉並の主婦から始まった水爆禁止署名運動
 1964年、三島・沼津の「石油コンビナート反対」の市民運動
      →政府を震撼させ、1967年、世界初の総合的な公害対策基本法を制定させた。
 1969年、翌年、歴史的な公害国会(公害対策基本法の「調和条項」を削除)を引き出した東京都公害防止条例制定の市民運動
 1995年、霞ヶ浦再生を、市民型公共事業として取り組んだアサザ・プロジェクト
1999年、市民主導で、1982年山形県金山町で条例制定の第1号、日本各地の条例制定の積み上げの中から制定を実現した情報公開法
これらの「希望の扉」の全てを叩き、開いて、市民主導で日本各地から条例制定を積み上げて法律を作るという、市民立法「チェルノブイリ法日本版」を実現し、3・11以後正義と不正義があべこべとなった事態をただし、平和を創る――それが3・11以後の私たちに残されていること。
以上が、2018年3月スタートした、市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会(略称「育てる会」)の市民運動

8、さいごに (斉藤隆介作・滝平二郎絵)「八郎」より
むかし、秋田に、 
八郎という名の山男が住んでいた。八郎は、かしの木ほどもある大男。なのに、彼の口癖は、
あーあー、おら、もっと おっきくなりてえなあー、おっきくなりてえなあー
でも、なぜ自分が 大きくなりたいと思うのか わからなかった。
しかし、とうとうその時が訪れた。
或る時、小さな子どもと出会い、子どもとの経験を通じ、自分の心の秘密を知り、こう叫んだ。
わかったあ !  
おらが、  なしていままで、  
おっきくおっきく  なりたかったか !

・・・私たちも、八郎のように、確信を抱いて叫び続けたい。
あーあー、おら、もっと おっきくなりてえなあー、おっきくなりてえなあー                                      (2019.6.7)

 
 

2019年5月25日土曜日

【報告】東京都文京区、5月19日(日)市民立法「チェルノブイリ法日本版」学習会「戦争と平和--私たちは放射能を忘れたがっている。しかし、放射能は忘れさせてくれない。非日常の非人間的現象にボーとしないで、3.11ショックから立ち直り、正気に帰る必要がある--」

 2019年5月の市民立法「チェルノブイリ法日本版」学習会を、 5月19日(日)、NPO「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」主催、東京都文京区の本郷文化フォーラム(東京都文京区本郷3-29-10 飯島ビル1階)でやりました。




以下の写真2枚はNPO「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」代表神田香織さんFacebook提供。


以下、当日の動画とプレゼン資料&配布資料です。

動画

プレゼン資料(全文のPDFは->こちら) 
http://1am.sakura.ne.jp/Chernobyl/190519presenTokyo.pdf
 
配布資料(PDFは->こちら
新しい酒を新しい皮袋に盛る市民立法「チェルノブイリ法日本版」
2019年5月19日
                                                       育てる会共同代表 柳原敏夫

福島原発事故で私達は途方に暮れました。日本全土と近隣国を巻き込み、過去に経験したことのない未曾有の無差別過酷災害だからです。ところが未曾有の事故にもかかわらず、従来の災害の発想で救助・支援が行われ、そして支援は打ち切られました。「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」、これが私たちの立場です。未曾有の無差別過酷事故には未曾有の無差別の救済が導入されるべし、それが健康被害が発生しようがしまいが事前の一律救済を定めた、原子力事故に関する世界最初の人権宣言=チェルノブイリ法です。

福島原発事故で私達は途方に暮れました。放射能は体温を0.0024度しか上げないエネルギーで人を即死させるのに、目に見えず、臭わず、痛くもなく、味もせず、従来の災害に対して行ったように、五感で防御するすべがないから。人間的スケールでは測れない、ミクロの世界での放射能の人体への作用=電離作用という損傷行為がどんな疾病をもたらすか、現在の科学・医学の水準では分からないから。つまり危険というカードが出せない。にもかかわらず、危険が検出されない以上「安全が確認された」という従来の発想で対応し、その結果、人々の命、健康は脅かされました。「危険が検出されないだけでは足りない。安全が積極的に証明されない限り、人々の命を守る」、これが私たちの立場です。つまり人々の命を被ばくというロシアンルーレットから守る。それが予防原則で、これを明文化したのがチェルノブイリ法です。

福島原発事故で私達は途方に暮れました。最初、人々は除染で放射能に勝てると教えられました。しかしそれが無意味な試みと分かると口を閉ざしたからです。避難できず、苦悩が人々の避難場所となりました。「苦悩という避難場所から脱け出し、真の避難場所に向かう」、これが私たちの立場です。それが美しい謳い文句にとどまらず、現実に、安全な避難場所に避難する権利を保障したチェルノブイリ法です。

原発事故の本質は戦争です。国難です。他の全ての課題に最優先して、その全面的救済を実現する必要があります。同時に歴史が教えるところは、国難において、国家はウソをつく、犯罪を犯す。
他方、公式の日本史に載らない民衆史が教えるところは、現場にどんな悲劇があっても、一人一人の市民がその生死をかけて立ち上がらなければ何も生まれない(田尻宗昭)。1997年に市民が作った対人地雷禁止条約も、1991年、2人の市民のアクションから始まった。それ以外にも、私達には以下のような、栄光の市民運動の歴史があります。
1872年 江藤新平らが、司法権の独立と民が官を裁く先進的な行政訴訟を作る。
1954年、杉並の主婦から始まった水爆禁止署名運動
1964年、三島・沼津の「石油コンビナート反対」の市民運動
1969年、歴史的な公害国会を引き出した東京都公害防止条例制定の市民運動
1995年、霞ヶ浦再生を、市民型公共事業として取り組んだアサザ・プロジェクト
1999年、市民主導で、日本各地の条例制定の積み上げの中から制定を実現した情報公開法 
これらの「希望の扉」の全てを叩き、開いて、市民主導で日本各地から条例制定を積み上げて法律を作るという、市民立法「チェルノブイリ法日本版」を実現し、3・11以後正義と不正義があべこべとなった事態をただし、平和を創る――それが3・11以後の私たちに残されていることです。
以上が、2018年3月スタートした、市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会(略称「育てる会」)の市民運動です。

参加者の感想
主催団体NPO「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」の代表神田香織さん(Facebookより)
「19日、NPO法人「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」の総会と学習会を本郷文化フォーラムにて開催しました。学習会は一年前に発足した「チェルノブイリ法日本版」について柳原敏夫さんが講演。まず最初に柳原さんの「戦争と平和」と題したメッセージ、インパクトありました。 「私たちは放射能を忘れたがっている。その弱みにつけこみ、日本政府は『原発事故は終わった。あとは経済復興、オリンピック』と煽り立てる。 私たちは放射能を忘れたがっている。しかし、放射能は忘れさせてくれない、原発事故を簡単に終わりにはさせてくれない。非日常の非人間的現象にボーっとしないで3.11ショックから立ち直り、正気に帰る必要がある。」  スライドはどれも示唆に富んでいて次々とパチリ。「司法権の独立を獲得した江藤新平」、美濃部都政時の「東京都公害防止条例」今後のヒントとして「希望の扉」の実例、「もう一つのあべこべ」など、闘いの歴史もふまえ、物静かな語り口ながら怒りと情熱が伝わってきました。 エドワード・サイードの引用からは柳原さんの反骨精神 が垣間見えました。「現代の知識人は専門家ではなく、アマチュアたるべきである。そして機知とユーモアでずけずけ物をいい、絶えず移動する遊牧民である」 そう、もう、いわゆる知識人や政治家におんぶできる時代ではないですね〜。下手すると政治家の手によって戦争が起こりかねないのだから。機知とユーモアでずけずけ言いたいが自信がないという方、よろしければ私の講談教室にどうぞ。機知とユーモアはともかく、大きな声はお任せください(笑) 写真は講演の間はほとんど下を向いていた柳原さん、実はこんなに目がぱっちり。打ち上げ会場の前で。紹介したスライドの数々、講談教室のご案内です。」

【速報3】三重県伊勢市でスタートした「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求に寄せられたノーム・チョムスキーのメッセージ(2019.8.15)

三重県伊勢市でスタートした「チェルノブイリ法日本版」条例の制定をめざす直接請求(その詳細は -> こちら )に寄せられた、今年90歳の米国の人権活動家 ノーム・チョムスキー からのメッセージを紹介します(参考:「 ノーム・チョムスキー~ふくしまの声を聴く 」)。  Fr...