市民が育てる「チェルノブイリ法日本版」の会の基本情報

2018年4月23日月曜日

【報告】4月21日学習会「野田市民発、チェルノブイリ法野田版を制定しようー放射能災害から命 健康 暮らしを保障させる為に-」もうひとつの市民立法の発見。それは都公害防止条例

18~19日の育てる会の結成集会後の3つ目の、千葉県で初めてのイベントです。
お知らせ」で告知したとおり、かつて2009年9月に、国にその必要性を認識させ、法の整備を促すため、全国初の公契約条例を制定した野田市で、
 「野田市民発、チェルノブイリ法野田版を制定しようーー放射能災害から命 健康 暮らしを保障させる為に-- (講師 柳原敏夫)をやりました。
(2009年9月に全国初となる公契約条例を制定した野田市で、公契約条例に続こうと訴える)

会場には野田市以外からも、松戸市、流山市、印西市から参加した市民、そして東京新聞の記者の方が、皆さんとても熱心に話を聞き、質問をしました(以下の通り、翌日の東京新聞千葉版で報道されました。全文は->こちら)。


かつて、チェルノブイリの事故収束作業員=リクビダートルの人たちが原発事故からの救済を求めて結成した市民団体「チェルノブイリ同盟(連盟)」の副会長アナトーリ・リグンさんはこう言いました。
             (パンフ「チェルノブイリ被害調査でわかった 危ない!食品基準」より)


学習会の当日、流山市から参加した方も、これと全く同じことを言いました。

これまで原発事故の救済を願ってきたけれども、事態は改善されず、どうしたらよいのだろうか?、自分たちの手で何かできるんだろうか?と思っていたところ、自分たちにもできるんだということを今日の話で気がついた。チェルノブイリ法日本版を自分たちの手で作るしかない、それが市民立法だと。

当日の学習会のポイントの1つは、いかにして市民立法を実現するか、でした。これまで「日本各地の条例制定から市民が作った情報公開法」がそのモデルでしたが、この日、もう1つ、市民立法があったことを紹介しました。それが、1969年制定の東京都公害防止条例。その内容といい、その制定過程といい、市民が首長(美濃部都知事)、都職員、学者たちと協働して作り上げた世界に誇る市民立法の金字塔です。
公害から市民の命、健康、暮らしを守るための以下の基本原理は、そっくりそのまま、放射能災害から市民の命、健康、暮らしを守るための基本原理として踏襲されるべき内容です。
チェルノブイリ法日本版制定にとって、 東京都公害防止条例は再発見する価値のある宝の山なのです。

この条例の冒頭に掲げられた以下の前文(その原文は->こちら)は、その後の公害防止の基本原理となり、それは、翌年の日本市民運動の歴史に不滅の最高峰の1つとして記される、1970年暮れの公害特別国会」で、公害問題に関する14の法令の抜本的な整備として実現しました()。

【公害防止に関する基本原理

第一原則 すべて都民は、健康で安全かつ快適な生活を営む権利を有するものであって、この権利は、公害によってみだりに侵されてはならない。
第二原則 すべて都民は、他人が健康で安全かつ快適な生活を営む権利を尊重する義務を負うのであって、その権利を侵す公害の発生原因となるような自然及び生活環境の破壊行為を行なってはならない。
第三原則 東京都民の自治組織体である東京都は、都民の健康で安全かつ快適な生活を営む権利を保障する最大限の義務を負うのであって、この義務を果たすため、あらゆる手段をつくして公害の防止と絶滅をはからねばならない。
「公害特別国会」
①.公害対策基本法から調和条項『 経済の健全な発展との調和が図られるようにする 』を削除、環境保全を最優先とする姿勢に大転換。
②大気汚染防止法の改正や水質汚濁防止法の制定など、公害問題に関する14の法令の抜本的な整備が行われた。
 

この市民立法の画期的な成果を作り出した市民の一人が、1908年長野県飯田市に生まれ、厳太郎を師に持ち、岩手県小繋事件の農民との出会いの中で一生の目標が定まり、その成果を生かすべく、東京都公害研究所の初代所長に就任した、異能の法律家、戒能通孝です。彼が公害をめぐる市民立法の実現に尽力した経過は書ききれないので、改めて紹介します。


かつて、公害問題のパイオニアである環境経済学の宮本憲一はこう言いました。
 
以下、当日の動画と講師のプレゼン資料です。

プレゼン資料【3.18-19結成集会を体験し、 チェルノブイリ法日本版 その可能性の中心、それは 「公害」を再定義すること、 「戒能通孝」の再定義の中にある。】-->こちら

(冒頭挨拶)野田市で一歩を踏み出してみよう


講師の話3.18-19結成集会を体験し、 チェルノブイリ法日本版 その可能性の中心、それは 「公害」を再定義すること、 「戒能通孝」の再定義の中にある。


参加者との質疑応答


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